3.2 メール

Kontactは、電子メールコンポーネントとしてKMailを使用します。KMailを設定するには、[設定]、+[KMail設定]を選択します。KMailは機能豊富な電子メールクライアントであり、多くのプロトコルをサポートしています。[ツール]には、不必要なメールを管理するのに役立ついくつかのツールがあります。[検索]を使用すると、メッセージを詳しく検索できます。[アンチスパムウィザード]は不要な商用電子メールをフィルタするのに役立つ管理ツールです。[アンチウィルスウィザード]は電子メールウィルススキャナを管理します。これらの2つのウィザードは、外部のスパムおよびウィルスソフトウェアと連動します。これらのオプションを無効にする場合は、スパムやウィルスに対処するための付加的なパッケージをインストールしてください。

図 3.2 Kontactのメールコンポーネント

Kontactのメールコンポーネント

3.2.1 個人情報およびアカウントの設定

Kontactでは、複数の電子メールアカウント(たとえば、自分の個人用電子メールアドレスと、ビジネス用のアドレス)を管理することができます。電子メールの作成時には、[表示]、+[個人情報]をクリックして、定義済みのいずれかのIDを選択します。新しいIDのプロファイルを作成するには、[設定]+[KMail設定]を選択し、続いて、[Identities (個人情報)]+[追加]の順に選択します。開いたダイアログボックスで、新しいIDに付ける名前(「private」(プライベート)や「office」(オフィス)など)を入力します。[OK]をクリックして、追加情報を入力するためのダイアログボックスを開きます。フォルダに識別情報を割り当てて、そのフォルダ内のメッセージに返信する際に、割り当てておいた識別情報が選択されるようにすることもできます。

[一般]タブで[あなたの名前]、[組織]、および[E メールアドレス]を入力します。[Cryptography]タブでは、電子的に署名された、または暗号化されたメッセージを送信するための鍵を選択します。暗号化機能を使用するには、第13章 KGpgによる暗号化 (↑アプリケーション)で説明しているKGpgを使用して鍵を事前に作成しておく必要があります。

[詳細]タブでは、デフォルトの返信アドレス(Reply-To)およびデフォルトのBCC アドレスの指定、辞書の選択、完成していないメッセージや送信済みメッセージを格納するフォルダの選択、およびメッセージの送信方法の定義を行えます。[署名]タブでは、各メッセージの最後に署名テキストを付加するかどうかを指定します。たとえば、各メールに自分の連絡先情報を署名として追加することができます。署名を有効にするには、[署名を有効にする]を選択し、ファイル、入力フィールド、コマンドの出力のいずれから署名を取得するのかを指定します。[Picture (写真)]を使用すると、すべてのメール内で表示される、モノクロの小さな(48x48ピクセル)アイコンへのパスを指定できます(受信者のソフトウェアがこの機能をサポートしている場合)。すべてのID設定が完了したら、[OK]をクリックして確定します。

[アカウント]では、Kontactによる電子メールの送受信方法を設定します。この中には2つのタブがあり、1つはメール送信用、もう1つはメール受信用です。この2つのタブの設定値の多くは、使用するメールサーバのシステムと配置先ネットワークによって大きく異なります。どのような設定値と項目を使用すればいいのかわからない場合は、ご利用のISP、またはシステム管理者に問い合わせてください。

発信用メールボックスを作成するには、[送信]タブで[追加]をクリックします。SMTPとSendmailのいずれかの転送タイプを選択します。ほとんどの場合、SMTPの選択が適しています。選択すると、SMTPサーバのデータを入力するためのウィンドウが表示されます。サーバの名前とアドレス(ISPによって指定されている)を入力します。サーバによって認証が要求されている場合は、[サーバは認証が必要です]を有効にします。[セキュリティ]タブには、セキュリティ設定項目があります。ここで、使用する暗号化手法を指定します。

[受信]タブ内で、電子メールの受信用の設定を行います。[追加]をクリックして、新しいアカウントを作成します。[ローカルメールボックス](MboxまたはMaildir形式)、[POP3]、[IMAP]などさまざまな方法の中から、メールの取得方法を選択します。設定値は、使用するサーバに合わせてください。

3.2.2 他のメールプログラムからの電子メールのインポート

他のアプリケーションから電子メールをインポートするには、Kontactのメールビューで[ツール]、+[メッセージをインポート]を選択します。現在、Outlook Express、mbox形式、電子メールテキスト形式、Pegasus Mail、Opera、およびEvolutionなどのインポートフィルタがサポートされています。インポートユーティリティは、kmailcvtコマンドを使用して単独で起動することもできます。

対応するアプリケーションを選択し、[次へ]をクリックします。選択したタイプによっては、ファイルまたはフォルダを指定する必要があります。その後、Kontactによって、自動的にプロセスが完了されます。

3.2.3 メッセージの作成

新しいメッセージを作成するには、[メッセージ]、+[新規メッセージ]を選択するか、ツールバーの該当するアイコンをクリックします。他の電子メールアカウントからメッセージを送信するには、3.2.1項 「個人情報およびアカウントの設定」 (↑アプリケーション)の説明に従って設定したIDのいずれかを選択します。[宛先に、電子メールアドレス全体を入力するか、アドレス帳に入力されている氏名またはアドレスの一部を入力します。入力した文字に一致する項目がアドレス帳の中で見つかった場合、選択リストが表示されます。希望の連絡先をクリックします。入力に一致する項目が見つからなかった場合は、最後まで入力します。アドレス帳から直接選択するには、アドレスのフィールドの隣にある[Select...]ボタンをクリックします。

メッセージにファイルを添付するには、クリップのアイコンをクリックして、添付するファイルを選択します。代わりに、デスクトップまたは他のフォルダから[メール作成]ウィンドウまでファイルをドラッグするか、[添付]メニュー内でオプションのいずれかを選択することもできます。通常は、ファイルの形式は正しく認識されます。形式が正しく認識されない場合は、ファイルのアイコンを右クリックします。表示されるメニューから、[プロパティ]を選択します。次のダイアログで形式とファイル名を設定し、説明を追加します。また、添付ファイルを署名または暗号化するかどうかも指定できます。

メッセージの作成が完了したら、[メッセージ]、+[送信]を選択して直ちに送信するか、[メッセージ]、+[送信待ち]を選択して[送信待ち]フォルダに移動します。メールを送信すると、メッセージは正常に送信された後に[送信済みメール]フォルダにコピーされます。[送信待ち]フォルダに移動されたメッセージは、編集または削除することもできます。

3.2.4 暗号化された電子メールと署名

電子メールを暗号化するには、第13章 KGpgによる暗号化 (↑アプリケーション)で説明されているように、鍵ペアを最初に生成します。暗号化手順の詳細を設定するには、[設定]、+[KMail設定]、+[Identities (個人情報)]の順に選択します。次に、暗号化メッセージまたは署名済みメッセージを送信する際に使用するIDを指定します。[変更]をクリックします。[OK]をクリックして確定すると、対応するフィールドに鍵が表示されます。[OK]をクリックして、設定ダイアログを閉じます。

3.2.5 フォルダ

メッセージフォルダを使用すると、メッセージを整理することができます。デフォルトでは、メッセージフォルダは~/.kde/share/apps/kmail/mailディレクトリにあります。KMailを初めて起動すると、いくつかのフォルダが作成されます。[受信箱]は、サーバから取得されたメッセージが最初に置かれるフォルダです。[送信箱]は、送信待ちのメッセージの一時的な格納場所です。[送信済みメール]には、送信済みのメッセージのコピーが格納されます。[ごみ箱]には、Del>または[編集]、+[削除]を使用して削除されたすべての電子メールのコピーが格納されます。[下書き]は、書きかけのメッセージを保存する場所です。IMAPを使用している場合は、ローカルフォルダの下にIMAPフォルダも表示されます。フォルダリストには、ローカルやIMAPなど、着信メールサーバごとのフォルダが表示されます。

メッセージを整理するためにフォルダを追加するには、[フォルダ]、+[新規フォルダ]の順に選択してフォルダを作成します。ウィンドウが表示されるので、新しいフォルダの名前と形式を指定できます。

フォルダを右クリックすると、コンテキストメニューが表示されて、フォルダに対する操作が行えます。[Expire]を選択すれば、既読および未読のメッセージの保存期間と、削除やフォルダへの移動など、その期間の終了後に行う処理を指定できます。メーリングリストのメッセージを格納するためにフォルダを使用する場合には、[フォルダ]、+[Mailing List Management]の順に選択して、必要なオプションを設定します。

あるフォルダから別のフォルダに1つ以上のメッセージを移動するには、上のウィンドウ内にあるメッセージをドラッグし、左のウィンドウ内にある適切なフォルダにドロップします。メッセージを反転表示し、 Mを押すか、[メッセージ]+[移動]を選択することによってもメッセージを移動できます。フォルダのリストが表示されるので、メッセージの移動先として使用するフォルダを選択します。

3.2.6 フィルタ

フィルタは、着信メールを自動的に処理するための便利な方法です。送信者やサイズなどのメールの特徴に基づいて、メールを特定のフォルダに移動したり、不要なメールを削除したり、メールを送信者に返送します。

3.2.6.1 フィルタの作成

フィルタを新規に作成するには、[設定]、+[フィルタの設定]を選択します。既存のメッセージに基づいてフィルタを作成するには、適用対象のメッセージを右クリックして[フィルタを作成]を選択し、フィルタの条件を選択します。

フィルタ条件の照合方法(すべて、またはいずれか)を選択します。次に、対象のメッセージだけに適用する条件を選択します。[フィルタアクション]で、条件に一致するメッセージに対するフィルタのアクションを設定します。[詳細オプション]では、フィルタをいつ適用するか、対象のメッセージに対してフィルタを追加するかどうかを設定します。

3.2.6.2 フィルタの適用

フィルタは、右クリックして[設定]+[フィルタを作成]を選択したときに開くダイアログ内にリストされている順序に従って、適用されます。特定のフィルタを選択し、矢印ボタンをクリックすることにより、順序を変更できます。フィルタは、[詳細オプション]で指定した新着メッセージと送信メッセージだけに適用されます。受信済みのメッセージにフィルタを適用するには、適用対象のメッセージを右クリックして、[フィルタの適用]を選択し、適用対象のフィルタを選択します。

フィルタが期待どおりに機能しない場合は、[ツール]、+[フィルタログビューア]を使用して監視できます。このダイアログでログ機能を有効にすると、フィルタがどのようにメッセージを処理したか記録されるので、問題の特定に役立ちます。